イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき Iittala - Stars of Finnish Glass

2023.4.22[sat] - 6.19[mon] 島根県立石見美術館

Photo:Anton Sucksdorff

イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき Iittala - Stars of Finnish Glass

Curation
展覧会構成

01 Timeline

イッタラ・ガラス工場 ©Iittala

1章 イッタラ140年の歴史

19世紀末にフィンランドのイッタラ村にあるガラス工場から出発したイッタラ。その歴史は、伝統の職人技を継承しつつ、絶えず新しい表現を追求していくものでした。そこには技術と表現の対話があり、ガラスという素材で表現を行う職人とデザイナーの真摯な向き合いがありました。
またイッタラの歴史は、さまざまな工場やメーカー企業の合併や統合の歴史でもあります。得意分野の違うガラス工場が合併したり、ガラスのみならず陶磁器やより広いインテリア·プロダクトの製造を行う企業と統合たりすることで、イッタラのデザインは技術、素材、コンセプトの点でつねに可能性を広げてきました。ここでは2021年に創立140周年を迎えたイッタラの歩みを紹介します。

《アメリコンスカ》型ガラス、1913年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

《ボルゲブリック》アイノ・アアルト、1932年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

iグラスの箱、ティモ・サルパネヴァ、1956年 ©Design Museum Finland, Photo:Johnny Korkman

《チッテリオ98》アントニオ・チッテリオ、1998年 @Design Museum Finland, Photo:littala media bank

02 Designers

2章 イッタラとデザイナー

イッタラでは、フィンランドを代表する多くのデザイナーが活躍してきました。そのキャリアはさまざまで、アルヴァ・アアルトのような建築家や、ティモ・サルパネヴァのようなグラフィックデザイナー出身の者もいます。短い期間に足跡を残したアルヴァ・アアルトもいれば、亡くなるまでイッタラに留まって活躍したタピオ・ヴィルカラもいました。デザイナーの思い描くイメージは、ガラス職人らがかたちにしていきます。イッタラはデザイナーたちに創作の機会を提供することで、フィンランド・デザインを育むプラットフォームとなってきました。

アルヴァ・アアルト 1898-1976 ©Iittala

《アアルト・べース》アルヴァ・アアルト、1936-1937年 ©Design Museum Finland, Photo:Johnny Korkman

カイ・フランク 1911-1989 ©littala

《カルティオ》コレクション、カイ・フランク、1950年代 ©Iittala

オイバ・トイッカ1931-2019 ©littala

《バード(シエッポ、スペシャルモデル2003年、ラウルラスタス)オイバ・トイッカ、1972年/2003年/1984年 ©Design Museum Finland,Photo:Johnny korkman

03 From Nature to Culture

吹きガラスと型ガラスの製法を組み合わせて作られるアアルト・ベース ©Iittala

3章 イッタラを読み解く13の視点

イッタラのものづくりの基礎となる重要な視点に迫ります。

素材としてのガラス/職人の技/型でつくる/マジック・リアリズム/自然と精霊との対話/気候と文化/陶磁器とガラス/アーキタイプ/基本のかたち/カラー/戦後フィンランドの外交とデザイン/広告イメージ/世界観を伝える/ミメーシス 自然の模倣/連ねる、重ねる/リサイクルとサステイナビリティー

《アメリコンスカ》型ガラス、1913年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

《ボルゲブリック》アイノ・アアルト、1932年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

iグラスの箱、ティモ・サルパネヴァ、1956年 ©Design Museum Finland, Photo:Johnny Korkman

オイバ・トイッカによる《バード バイ トイッカ》コレクション ©Iittala

イッタラの色ガラスのサンプル、2020年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

《フォレスト》タピオ・ヴィルカラ、1963年 ©Design Museum Finland, Photo:Ounamo

広告イメージ、1953年 ©Design Museum Finland, Photo: Pietinen

《マルセル》ティモ・サルパネヴァ、1993年 ©Design Museum Finland, Photo:Johnny Korkman

04 Iittala and Japan

《イッタラ× ミナペルホネン》コレクション、2021年 ©Iittala

4章 イッタラと日本

イッタラと日本の関係は古く、1950~60年代にさかのぼることができます。この時期、カイ・フランクは度々来日し、日本の工芸やデザインに触発された作品を残しました。日本のフィランド・デザインへの関心も高く、イッタラ製品も含む大規模な展覧会が東京で開かれました。
21世紀に入ってからは、イッタラは国際的なコラボレーションを積極的に進めています。日本のブランドであるイッセイ ミヤケとミナ ペルホネン、建築家の隈研吾と行われた仕事を通して、イッタラと日本の新たな交流を紹介します。

《イッタラ×ィッセイ・ミヤケ》コレクション、2016年 ©Iittala